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内分泌・代謝内科

フレイル・ロコモ・サルコペニアの診断と治療(健康寿命の延伸)

この記事の内容

フレイル・ロコモ・サルコペニア・(ダイナペニア)とは

 「フレイル」は、加齢とともに運動機能や認知機能などが低下した状態のことで、要介護の予備軍に当てはまります。

「ロコモ」は「ロコモティブシンドローム」の略称です。ロコモでは、筋肉・骨・関節などの運動器障害により、バランス能力や筋力・移動能力などが衰え、寝たきりになる可能性が高まります。

 「サルコペニア」は筋肉量減少と筋力低下が同時に生じることで、身体能力が衰えた状態をいいます。また、筋肉量が正常でも筋力低下が生じる「ダイナペニア」も、寿命や生活の質の低下をきたします。これらの病態は、互いに密接な関係にあります(図)。

図 フレイル・ロコモ・サルコペニア・ダイナペニアの関係

当院では、体成分分析装置(写真1)を用いて筋肉量や体脂肪量などの計測と筋力評価を行い、ダイナペニアやサルコペニアの診断を行っています。

写真1 体成分分析装置
(株式会社インボディ・ジャパン)

また当院では、栄養指標や専用の測定器(写真2)で測れる終末糖化産物(しゅうまつとうかさんぶつ)(AGEs)1などの新規代謝指標がこれらの病態にかかわることを見つけ出し、診断予測バイオマーカーの探索のほか、デジタルデバイスやIoT技術の導入による運動や食事栄養療法の開発を行っています。

写真2 終末糖化産物(AGEs)測定装置
(セリスタ株式会社)
  1. 終末糖化産物(AGEs)/タンパク質と糖が加熱されてできる物質で、老化を進める原因物質とされている ↩︎

執筆者

内分泌・代謝内科 特任教授  粟飯原 賢一

※執筆者の所属・役職は書籍発刊時(2024年3月)のものです。

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